1■はじめに
2■プロバイダー同士の横断的なspam抑止・撲滅のための取り組みについて
2.1■現状
2.2■「電子メール不適正利用情報連絡協議会」の提案
2.3■設立・運用時の課題
3■spam受信被害者からの情報提供に関する開示システムの構築
3.1■現状の問題と目標
3.2■「電子メール不適正利用情報開示システム」導入の提案
3.3■導入時の課題
4■関係事項の説明
4.1■電子メール不適正利用監視員
4.1.1■目的
4.1.2■資格内容
4.1.3■課題
5■この提案内容とシステムが出来るまで
5.1■この提案内容について
5.2■当サイトの現状との連続性
5.3■包括的なシステムが出来るまで
6■日本のspam被害の現状と認識
6.1■日本(日本人、日本語使用者)におけるspam被害の現状
6.2■spam問題の行方
6.3■日本のネチズンとネット業者の目指すべきところ
7■関係リンク集
4.不適正利用監視員制度の監視員になることについてあなたは?
5.spam撲滅包括的システム構想案に絡んで何でも(雑談OK)
もし長い議論等になりそうな場合、長い文章の意見交換が必要でしたら当サイトの掲示板に御意見をお寄せ下さい。
1■はじめに
私・高崎真哉は2001年3月にサイトを作成して以来、インターネットユーザの方々に、 ネット業者様へのspam処置依頼を勧めて参りました。その理由としましては以下のものがあります。
以上のように考えていたからです。
このうち3番目のAについては何かしらの寄与がある、現在でも抑止力になっていると考えていますが、しかし残念ながらネット業者の対応は「行き詰まり」に陥り、Bへのアプローチも何ら検討されているとは思えない感じを抱くようになりました。
ISPの苦悩と苦闘
スパムメールと戦うプロバイダの活動とは?
http://www.pc-view.net/Outsourcing/040202/
この記事はspamに対して大規模に、断固たる対処を取ったNTTPCの自社レポートですが、これにより
などがそれなりに示されたと言えるのではないでしょうか?
そして私自身も「spam処置依頼」に関して今後どのように声を挙げていったらいいか、悩むところとなりつつあります。
その一方で、各種意見交換をする中、私は自分なりに「spam抑止・撲滅の受信被害者とネット業者に関する包括的システム」について考えるようになりました。よってその提案を改めてまとめたいと思い、このページを作成します。
本頁で書いたような内容は、専門家のネット業者の方々ならば当然考えている可能性がありますし、末端ユーザにしか過ぎない私の提案する内容である以上、非現実的な部分もあるかと思います。けれども
ということを御理解して頂きたく、お読み頂ければと思います。
概要ですが、私の提案するシステムについてはおおよそ以下の3つから成り立っています。
なお、この案は6章の「日本のspam被害の現状と認識」ということを踏まえて書かれています。現状の認識次第では、当提案の内容や導入時期などに関して、さまざまな意見、スタンスを取ることが出来るでしょう。日本のspam被害の状況についてお知りになりたい方はまずそちらをお読み下さい。
2■プロバイダー同士の横断的なspam抑止・撲滅のための取り組みについて
2.1■現状
多くの悪質なspammerがメールアカウント、サイトアカウントを履き潰していきながらspam行為を継続するという性質上、spammerの情報について各ネット業者様間で情報交換すべきだ、というのが数年前から私が考え、折に触れて主張して来たことです。この考えは決して突拍子なものではなく、たとえば早くからOCN様等もそれを検討していた様子がうかがえます。
参考:「平成13年11月6日 OCNサービスにおける『迷惑メール』対策の実施について」
http://www.ntt.com/NEWS_RELEASE/2001NEWS/0011/1106.html
「他事業者およびプロバイダ各社との連携による『迷惑メール』排除の実施(2001年度中目途)」
2003年後半、私はスパム問題に関して情報交換をするイベントに参加させて頂きましたが、私がそこで述べたプロバイダー間の情報共有、具体的に言えば「ブラックリストの作成」に関しては私だけでなく、ネット業者の担当者の中にも意義を痛感していることを発表されておりました。
現在、一部のネット業者間の間で、情報交換を行う取り組みが始まっております。
A.「通信関連団体、『迷惑メール対策連絡会』を設立」(InternetWatch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0305/mail.htm
B.「Yahoo!とMSN、「迷惑メール対策連絡会」設立」(InternetWatch)
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/12/1105.html
C.「国際的な“反スパム自警団”設立」(ITMedia)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0401/14/news052.html
D.「迷惑メール撃退へ「同盟」 携帯各社、発信元情報を共有」
(朝日新聞の記事、現在消失、アーカイブに残ったもの)
Aに関してはモバイル・コンテンツ・フォーラム (MCF)、財団法人インターネット協会
(IAjapan)、日本インターネットプロバイダー協会
(JAIPA)、社団法人テレコムサービス協会
(TELESA)、社団法人電気通信事業者協会(TCA)という、日本のインターネット事業者が必ずどれかは属するのではないか、というほどそうそうたる団体様が設立したものですが、その後、具体的な取り組みについては
「広告メール ガイドライン(案)」 に対する意見募集
http://www.tca.or.jp/japan/news/030519.html
を行った以外については寡聞にして聞きません。
Bについては比較的最近できたもので、大手ネット業者様であるYahoo!とMSN様二つが取り組み、大々的に進めている点で注目されますが、両者ともISPではない、すなわち「spammerに悪用されるネット業者」というよりも
という点に特徴があると考えられ、spammerに設備を悪用されるネット業者様達の取り組むべきものとは若干方向性が異なる可能性があります。
Cについては日本での取り組みと言うより、世界規模での取り組みですが詳細は不明であり、実際に日本人spammerに悪用されているネット業者様などが直ぐに直接関係してくるということは少なかろうと考えております。
Dについては携帯キャリアに特化した話である上、その後の動向が不明です。
2.2■「電子メール不適正利用情報連絡協議会」創設の提案
前節のような中で私としては以下のような取り組み、組織を提案いたします。
[目的]
前節で述べたOCNがリリースで述べている「spammer」に関する情報共有をネット業者間で行うためのもの
[仮名称]
あくまで便宜上、以下でこれについて述べる際に「電子メール不適正利用情報連絡協議会(仮)」とする
[活動内容]
[設立環境]
[参加のメリット]
2.3■設立・運用時の課題
3■spam受信被害者からの情報提供に関する開示システムの構築
3.1■現状の問題と目標
現在、spam問題の根本的な解決を目指したいと考えるspam受信者により、spam処置依頼(苦情)が行われております。その苦情では以下のような問題を抱えています。
以上の問題を抱えております。
3.2■「電子メール不適正利用情報開示システム」導入の提案
[目的] spammerに悪用されているネット業者がリアルタイムでspam苦情状況、対応状況を公開することで、spam苦情数を最低限に抑えながらspamの抑止、撲滅を図る。便宜上、この体制を「電子メール不適正利用情報開示システム(仮称)」と呼んでおく。
[方法]
[メリット]
[必要なこと]
「不適正利用情報連絡協議会」の「設立・運用時の課題」と取りあえず同じ?
4■関係事項の説明
4.1■電子メール不適正利用監視員
4.1.1■[目的]
登録者は以下のことに同意すること。
5■この提案内容とシステムが出来るまで
5.1■この提案内容について
この提案内容については内容の独自性や著作権に関して、私は法的な主張をしないことをお約束します。すなわち、これを御覧になった、上記システム構築に関係可能な関係者が、上記のようなシステムの導入を検討する際に、高崎への連絡や問い合わせを行う必要はございません。
無論、上記システム案を元に包括的な対spam案を作ることを開始する旨、もしくは上記システムの具体的な構築の進捗状況について高崎に一言御連絡を頂ける、あるいは状況説明をして頂くことは私・高崎にとって光栄ではありますが、光栄以上のものではありません。
当方・高崎はただひたすら、多くの良識あるネチズンとネット業者の方々が少ない労力と被害に抑えたまま、spam問題の包括的な解決や抑止策を導入できることを望んでおります。
5.2■当サイトの現状との連続性
当サイトはspamへの対処として、spam受信被害者達に、ネット業者様への対処依頼を送ることを勧めて参りました。取りあえずそれで開始するしか、少しでもspamを撲滅・抑止する道はないと考えたからです。
しかしながら「受信被害者全員がspam処置依頼を送るようになる」ことは必要ないし、またそれはそれで受信被害者にとってもネット業者様にとっても甚大な損失が生まれると考えております。
本頁はそのような認識の元に「spam処置依頼を送るのを一般化すると同時に、それが『spam撲滅・抑止』という一定限度の目的を越えて、受信被害者やネット業者の負担になることを防ぐシステム」を提案とするものです。
はっきり言えば
「spam処置依頼を普及させるのは間違いである。なぜならばそういうメールを増やすことはネット業者の負担を増大させるものであり、ゴミメールを増やすだけである」
という主張に対する反論の一部、すなわち
「ネット業者側がきちんと体制を整えればそれらをゴミではなく、重要な、spammer排除のための情報として活用し、またゴミを増やさないことも出来る」
というものです。
5.3■包括的なシステムが出来るまで
本頁で提案する内容と、現在の私のサイトが主張するところは前節で述べたように繋がっておりますので、当サイトはこのまま、spam処置依頼の普及を目指して行くつもりです。
現在、ヘッダ解析ツール「hdpar」を提供しておりますが、近日中にこれを含めてさらにspam処置依頼の送信を容易化するツール、spam(迷惑メール)対処依頼支援システム「すぱすく」を公開する予定です。
当ページで述べるような方向性の手法以外に、spam撲滅・抑止する案がある場合、是非御意見を頂きたく思います。
6■日本のspam被害の現状認識と今後の展開の予想
6.1■日本(日本人、日本語使用者)におけるspam被害の現状
私・高崎は日本のspam被害の現状について以下のような感じであると考えています。
以上の動きでは携帯spamとパソコンspamが入り交じっていると言えましょう。
さて、上記に書いたように日本のパソコンspam被害は米国よりも悪質化していない様子があります。これが何故であるかについては異なる見解が可能でありましょう。
どちらであるかは分かりませんが、私は後者の方が可能性が高く、それを見越してこの案を提案するものです。
6.2■spam問題の行方
spamに対する取り組みは国際的なものが必要だという声もあり、また電子メールのプロトコル(規格)をspamの抑止に容易なように変えなければ解決は不可能という考え方があります。
すなわち具体的には全世界のspam問題を解決するには以下の3手段が想定されます。
まずAに関してはスパム問題の深刻化を受けて、ネット先進国ではスパム規制法制定が一般化している。ただし、どんな言い方をしようと、スパム規制はメールの発信すなわち表現の自由を制限する性質であるこは明らかで、その事実と、それが心理的に及ぼす影響を恐れ、多くが「オプトアウト式」に止まっています。(ただし先進的なところはオプトイン式の導入をしています)
Bについてはインターネットの歴史が、統一された機関によるものではなく、自発的・分散的に育って来たものであるため、全体の規格を変更するのは容易でなく、その為にそのようなことを叫ぶ声は上がりにくかったものの、spam被害の拡大でそうでもなくなりつつあります。
「競合するスパム防止策調整のための小委員会が発足」(CNet)
2003/10/27 19:30
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20061627,00.htm
特に2003年後半以降の状況として注目されるのは、全世界のパソコンの仕様を左右する力を持つマイクロソフト(Microsoft)において最大の実力者であるビル・ゲイツ氏自らが旗を振り、spamを撲滅・抑止することを提唱し始めたことです。
実際にビル・ゲイツ氏自身がその必要性を感じているのか、MSの取り組みが本気であるのかという問題は置いておくとして、とにかくそういう姿勢を打ち出したことは注目すべきであると考えます。
日本ではspamへの問題意識が決して高いとは言えなかった2000年末よりspam問題に注目してきた私・高崎としては、このようなマイクロソフトの動きを決して過小評価出来ない思いでいます。
すなわち、インターネットを作り上げた点について最大の貢献度を持つ米国において、上のような状況になった以上は米国での関係者が日本も含めてどうにかしてくれるのではないか、という期待をそこはかとなくしてしまうわけである。そして特にはそこで述べている手法がBを主体としたものであることです。
その結果、spamの被害が日本でよりも米国でひどく、日本人はその余波を受けているような状況の現在「pam問題は、インターネットを世界に普及させ、またspamの加害者としても被害者としても最大であるs米国が解決すべきである」という「下駄を預ける」というスタンスが出来ないこともありません。
特にBでの解決が見込まれるならば、卑近な話を出せば「もはや一布衣である高崎が声を挙げて叫ぶ段階ではなくなった、数年後には『誰かが』解決してくれる」ということで、antispam活動全体の停止して良いのでないか、という気にさえなるわけです。さらにいえば日本のネット業者のいくつかが今回の構想案を導入することは、それらの全世界的な動きに比べればほとんど意味がない、という可能性もあるわけです。
しかしながら現在見える動きとしては先ほどのAに加えてCの状況が中心であると言えましょう。
spam問題の将来が分からない、特に米国の行政や、あるいは仕様変更を可能とする大手企業の動きが分からない中で、日本のネット業者とネチズンの目指すところは「取りあえず」以下のようなものだと思います。
上記目的を目指すために、このページの構想案が一つの方向性ではないか、と考えております。
●spam問題に関し現状を認識するのに参考になるページ、サイト
・NikkeiNet ITビジネス&ニュース
「迷惑メール規制法-米国型かヨーロッパ型か」城所岩生氏
http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20040107s2001s2
・NikkeiNet ITビジネス&ニュース
「迷惑メール防止法が米国で成立、その効果はいかに?」江川央氏
http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20031215s2001s2
●その他
・「Web110のspam watch」
http://www.web110.com/spam/